(145)油断せしところより滝凍てにけり/衣川 次郎(1946年~)
北国の感覚だと思った一句です。水が流れ落ちるまま凍りついた滝の姿は荘厳です。凍滝を思い浮かべれば、その美しさや力強さを記したくなりますが、この句では、油断という気の緩みを滝の中に見ています。水がこん…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。