秋サケ不漁、ピーク時の1% 宮城・温暖化影響か

深刻な不振が続く秋サケの水揚げ作業=10月、南三陸町志津川の町地方卸売市場

 宮城県内で秋サケが記録的な不漁に見舞われている。沿岸の漁獲数と河川の捕獲数を合わせた来遊数(11月末現在)は約3万6000匹と、ピーク時(2008年度)の約340万匹のわずか1%程度にとどまる。地球温暖化による海洋環境の変化が影響しているとの見方があるが、明確な原因は特定されておらず、関係者は危機感を募らせる。

 県などによると、サケは外洋を回遊する習性があり、放流された川におよそ3~4年をかけて戻る。県内の来遊数と稚魚放流数の推移はグラフの通り。東日本大震災前の来遊数は300万匹を超えていたが、震災で沿岸のふ化場が被災。来遊数、放流数共に一時的に持ち直したものの、近年は急減している。

 県内のふ化放流事業は、水揚げ金額に応じて漁業者らから徴収される協力金や、国・県による事業費補助で運営されている。不漁で協力金収入が落ち込むなどして、20年度は事業を手掛ける15団体のうち、5団体が損失を計上した。本年度は多くの団体が経営難に陥る見込みで、一部の団体は事業からの撤退を検討し始めたという。

 県さけます増殖協会の渥美巌会長理事(東松島市長)ら幹部が16日に県庁と県議会を訪れ、団体への経営支援や採卵数不足に対応するための種卵の確保を強く要望した。

 渥美会長理事は村井嘉浩知事との会談で、「みんなで力を合わせて難局を乗り切りたい」と強調。佐々木茂樹副会長理事(石巻魚市場社長)は「秋サケは重要な魚種の一つ。生産者だけでなく加工業者も大変苦しい状況だ」と訴えた。

 村井知事は「秋サケの問題は非常に深刻だと受け止めている。今後も国への働き掛けや種卵の確保をしながら、事業を継続できるよう努力したい」と応じた。

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