冬の水面(みなも)を滑るようにボートが進む。こぎ手8人のエイト種目で全日本大学選手権5回の優勝実績がある東北大漕艇(そうてい)部が、10年ぶりに貞山運河に帰ってきた。
白い息を弾ませてオールをこぐのは、71人の部員たち。5月に仙台空港(名取市、岩沼市)近くの運河で練習を再開すると、住民が「風景が戻った」と喜んだ。かつてなじみだった地元の八百屋さんからは野菜が差し入れられた。
10年前の3月11日、部員は合宿で埼玉県にいて無事だったが、艇庫や運河が津波で被災し釜房湖(宮城県川崎町)に活動拠点を移した。運河の土砂などが取り除かれて今年2月に岩沼艇庫が完成。コースは湖の倍の3000メートルに回復した。
艇庫は海から約1キロ。部員には戸惑いもあった。主務の3年小松香於里(かおり)さん(21)は「練習中も命を守るため独自の防災マニュアルを作った」といい、今月12日も艇庫屋上と仙台空港に避難訓練を行った。
子ども教室などで住民と親しんだ釜房湖は今も新入部員の練習拠点だ。
「地元から応援をもらうと選手の力になる。貞山運河でもぜひ交流したい」と小松さん。若者たちのひたむきな姿が、復興した日本一長い運河群に新たな息吹を吹き込んでいる。(高橋鉄男)
[メモ]仙台湾岸には阿武隈川から松島湾を経て旧北上川まで、外洋を通らない日本一長い運河群がある。宮城県によると全長約49キロ(一部埋め立てで現在約44キロ)で、木材輸送などを目的に江戸期と明治期にできた貞山運河31.5キロ(同26.5キロ)と、明治政府による野蒜築港に伴い開削された東名運河3.6キロ、北上運河13.9キロ。いずれも東日本大震災の津波で被災した。
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