<NPOの杜>地域連携 ひとり親支援/いわぬま・こども食堂+

クリスマス会後に無料配布された支援品
ひとり親家庭と地域住民が参加したクリスマス会=18日、岩沼市の玉浦コミュニティセンター

 岩沼市を中心にひとり親支援を行う市民団体「いわぬま・こども食堂+(プラス)」は2018年の活動開始以来、子どもと地域住民が共に食卓を囲み、心もおなかも満たすコミュニケーションの場として機能してきました。大勢での食事が難しい現在は毎月第4木曜日、みやぎ生協岩沼店2階集会室で、ひとり親世帯を対象に食品を無料配布する「フードパントリー」の活動をしており、工夫しながら地域ぐるみの支援を継続しています。

 取材に訪れた日は、毎年12月に開催するクリスマス会の日。ひとり親家庭の子ども5組と地域住民が参加し、終了後にはお菓子や手作り弁当が配布されました。代表の坂本久子さん(75)は「活動を継続する中で地域のつながりを一番大事にしている。私たちの活動をより多くの人に知ってもらい、地域全体で子どもを育てる環境をつくりたい」と話します。

 フードパントリーで配布する食品は主に地元の企業や農家、NPO法人などから提供され、団体の活動への共感による支援で成り立っています。

 今年3月、宮城県の学校が臨時休校になった時には県内の給食センターと連携し、給食で提供できなくなった冷凍食品を譲り受け、フードパントリーで無料配布しました。その際も食品保存用の冷凍倉庫や運搬用トラックを地元企業から借りるなど、物資調達と運用の両面で地域との連携を図り、支援の輪を着実に広げてきました。

 子どもの貧困問題は深刻さを増しています。厚生労働省の18年の国民生活基礎調査では「17歳以下の7人に1人が相対的貧困であり、ひとり親世帯の貧困率は2人に1人」との結果が出ています。相対的貧困とは最低限の暮らしは確保できているものの、平均生活水準より所得が少ない状態のこと。所得格差によって経済的理由で進学を諦めるといった教育格差が生じ、そこからまた別の格差につながることもあります。

 「ひとり親家庭の悩みを活動を通じ聞く中で、今までとは違う課題も見えてきた。新しい支援の形を探っていかなければならない」と話す坂本さん。例えば食事と同様に、洗剤やティッシュといった日用品の家計負担も大きいことが挙げられます。しかしフードロス(食品廃棄)の観点もあり認知度が高まりつつある食品の無料配布と異なり、日用品の継続的な支援はまだまだ足りないのが現状です。

 「活動に共感してくれる人を増やし、さらに強固な地域連携でひとり親世帯を支援していきたい」。制限されずに大勢の人と一堂に食事ができる日を楽しみに、団体の取り組みは続きます。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 吉田若葉)

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