(159)我に我かげのうれしきはつ日かな/足了庵(そくりょうあん) 禾月(かげつ)(1784?~1857年)
読者の皆さまの昨年はどんな年であったろうか。楽しいことだけでなく、つらい別れがあった方もいらっしゃるだろう。この句、初日に暖かく包まれる自分だけでなく、後ろに伸びる自分の黒い影をうれしいと言っている。何もかもを超然として、ただ自分がここに生きていることを寿(ことほ)ぐ気持ちにさせるような、初日のパ…
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- ・(158)会ひたしと思ふ人あり去年今年(こぞことし)/高浜 年尾(1900~1979年)
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- ・(155)寒月を呑(の)む鶴すこし亀もすこし/摂津 幸彦(1947~1996年)
- ・(154)種子といふ眠りを冬の長さとも/中原 道夫(1951年~)
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。