児童生徒支える教員をサポート 研修会、10年で300回超 宮城の心理士有志

ケア宮城が担当した県教委の教員研修会=2012年6月、仙台市泉区

 宮城県の心理士有志でつくるボランティア団体「ケア宮城」(仙台市)が、日本学校心理士会(東京)の本年度の学校心理士賞に選ばれた。東日本大震災後、児童生徒の心のケアに当たる教員らを対象に研修会を開催。「必要なのは先生のサポート」を合言葉に10年継続し、実に300回を超えた。全国各地で自然災害が頻発する状況を踏まえ、今後は宮城で実践した支援活動の発信に力を入れる。

 ケア宮城は震災発生直後の2011年4月、学校心理士、臨床心理士、臨床発達心理士の地元支部が連携し発足した。「被災地の子どものために周りの大人を支えたい」と県教委に掛け合い、同年5月に教員向け研修会を初めて開催した。

 「学校を休みがちな児童にどう対応するか」などをテーマに、1グループ5~7人で話し合うワークショップに時間を割いた。教員同士が意見を交わし、悩みを共有する研修会活動が口コミで広がり、開催依頼が小中高校や被災地支援のNPOなどから相次いだ。

 16年の熊本地震、18年の西日本豪雨などの被災地でも研修会を実施。当初、震災後の半年間の予定だった活動は、20年度まで10年続いた。教員研修は163回、NPOなど支援団体の研修は138回を数えた。

 代表の畑山みさ子宮城学院女子大名誉教授(発達心理学)は「災害が発生し、学校が避難所になると教員は対応に追われ、子どもと向き合う余裕がなくなってしまう。子どもを支援する側を精神的にサポートし、負担を軽減する活動が求められた」と振り返る。

 研修会は新型コロナウイルスの影響で対面開催が難しくなり、20年度で区切りを付けたが、10年間の成果を伝える活動は継続する。

 日本学校心理士会宮城支部長の氏家靖浩仙台大教授(教育相談)は「地元の心理士が被災地の教員らを長期にわたり支援した実践はモデルケースになる。今後は経験の蓄積を伝えていくことが大切だ」と話す。

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