「記憶の素描」(3)形の読み間違い-石沢麻依(芥川賞作家)
3年前、イェーナに引っ越した冬、友人のDから大晦日(おおみそか)の招待を受けた。ドイツの大晦日は親しい人を招いて一緒に過ごし、年が変わる瞬間に花火や乾杯をして祝うことになる。1年の最後の夜、耳に痛いほどのボリュームで音楽が響き渡る大騒ぎも珍しくはない。しかし、Dの家には人間に対して距離を置く猫がい…
関連リンク
- ・「記憶の素描」(1)人形の家の過去-石沢麻依(芥川賞作家)
- ・「記憶の素描」(2)空白の冬の色-石沢麻依(芥川賞作家)
- ・石沢麻依さん(芥川賞作家)記憶を言葉に未来へつなぐ
- ・芥川賞の石沢麻依さん 宮城県と仙台市が表彰
- ・「実感が追い付かない」 芥川賞の石沢さんが記者会見