新成人ごった返す 2部制導入の仙台市、式場周辺の誘導で混乱

式典を終えた新成人であふれ返った仙台市体育館付近の市道=9日午後1時ごろ

 9日に仙台市の成人式があった市体育館(太白区)周辺の道路で新成人があふれ、車両の通行に支障が出るなどの混乱があった。新型コロナウイルス感染対策で、会場と周辺で密集状態にならないよう講じた誘導策が裏目に出た。新成人や周辺住民から対応に批判の声が上がった。

 市は当初、出口を体育館南にある玄関1カ所に限定。座席ごとに誘導し、早期の帰宅を呼び掛けた。滞留しないよう動線は一方通行にした。だが、正午から30分開かれた第1部の式典後、携帯電話で友人と連絡を取ったり、雑談したりする新成人で体育館南側の市道がごった返した。

 隣接する公園への立ち入りも禁止したため、行き場を失った新成人は出口周辺の道路にとどまった。午後2時に開場する第2部の参加者も続々と集合。最大で約300メートルにわたり市道が新成人で埋まり、車が通行するのも困難となった。

 友達を捜していた青葉区の東北大2年の男性(20)は「歩行者天国になってしまっている」と驚いた表情。同区の専門学校2年の女性(20)は「待ち合わせ場所がない。公園を使わせれば道路はふさがらないはずだ」と指摘した。

 結局、パトカーが出動して注意する事態に。市道沿いに住む会社経営の男性(62)は駐車場にあるプラスチック製の鎖が壊されたといい、「市のやり方に問題があったのではないか。迷惑だ」と憤った。

 市は急きょ、出口を増やして対応した。2部終了後は公園の立ち入りも認め、混乱は収まった。市教委生涯学習課の担当者は「直行直帰を促したが受け入れてもらえなかった。想定通りの誘導ができなかった」と語った。

仙台市の会場周辺、成人でごった返す

オミクロンの脅威じわり 感染対策を徹底

 新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の急拡大に、9日に東北各地であった成人式でも警戒感が広がった。市中感染がある地域から帰省した参加者も多く、新成人は不安を抱えながら当日を迎えた。各自治体は、県外出席者の体調確認など感染対策を徹底した。

 仙台市は、初めて在住や出身区ごとに新成人を入れ替える2部制を導入。参加人数は1回当たりそれぞれ3000人以下に抑えた。

 一方、前年度は参加自粛を呼び掛けた県外からの出席を認めたため、オミクロン株が増加する首都圏からの参加者も多かった。

 東京都文京区の東京大2年佐藤友さん(20)は7日に自主的に抗原検査を受けて帰省した。「昔の友達と久々に会う。気にする人もいると思ったので一応検査した」と話した。

 青葉区の専門学校2年峯岸このみさん(20)は「美容師の国家試験があるので感染が心配。体育館の中には入らないようにした」と警戒していた。

 仙台市と同様に多賀城市、登米市、富谷市なども2部制を採用した。福島市は新成人にワクチンの接種証明の提示を求め、天童市は体調チェックシートの提出を義務付けるなどした。

マスク姿で式典会場を訪れた新成人=9日午前11時40分ごろ、仙台市太白区の市体育館
看板を掲げて新成人に感染症対策を呼び掛ける関係者=9日午前11時40分ごろ、仙台市太白区の富沢公園

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