玄米食専用「金のいぶき」香港へ輸出拡大 宮城・栗原のタカショク

昨年、香港で販売された金のいぶきのおむすび(百農社提供)

 宮城県栗原市の米穀販売・加工会社タカショクは、香港でおむすびチェーン店を展開する百農社国際有限公司向けに宮城県産の玄米食専用米「金のいぶき」の輸出を拡大している。昨年3月の2トンの輸出を皮切りに取引がスタート。健康志向の消費者に好評を得ており、2021年産米は計80トンを輸出する計画だ。

胚芽の大きさ3倍

 金のいぶきは宮城県古川農業試験場(大崎市)が開発した。胚芽の大きさが通常の玄米の約3倍あり、栄養素が豊富で甘みが強いのが特徴。白米と同様に炊飯でき、もちもち、ふっくらとした食感が味わえる。

 百農社は21年5月、香港の店舗で金のいぶきを使ったおむすびのテスト販売をスタート。売れ行きが好調で、炊飯しやすい点なども評価し、取引の継続を決めたという。タカショクは20年産米を計19トン輸出。21年産米は80トン輸出する契約を結び、順次出荷している。

 タカショクは、宮城県北を中心に50人以上の生産者と金のいぶきの栽培契約を結ぶ。栽培技術の情報共有などで収量アップを図るとともに、国内に1台しかない装置を使って高温の蒸気を当ててから出荷することで、常温輸送中の虫の発生を抑制するなど、品質向上に力を入れる。

輸出先開拓狙う

 宮城県色麻町の加美農高生徒が栽培した21年産米1トンも輸出する。同高は食の安全や環境保全に関する認証「JGAP」を20年1月に取得しており、タカショクは同高からJGAPについて学び、生産現場に取り入れる一方、栽培技術を提供するなど連携を進める。

 佐藤貴之社長は「海外展開の拡大に向けて、生産者のSDGs(持続可能な開発目標)に関する取り組みを強化する」と話す。

 新型コロナウイルス禍もあって国内の米需要は落ち込むが、健康志向の高まりで玄米食需要は国内外で伸びている。「食べやすく高機能な金のいぶきは需要がある。金のいぶきをきっかけにして、輸出先や品種の拡大を図りたい。全力投球していく」と語る。

 百農社は日本人起業家の西田宗生薫事長(社長)が10年に香港で設立し、日本産の米や食材を使ったおむすび専門店約100店を運営する。タカショクとの取引は、百農社側の意向を受けた日本貿易振興機構(ジェトロ)仙台、宮城県輸出促進協議会の紹介で実現した。

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