コロナ第6波、東北にも 「対策、これ以上何すれば…」 医療や介護、保育の現場懸命

 新型コロナウイルスの流行「第6波」が東北にも押し寄せた。オミクロン株が猛威を振るい、感染拡大は経験したことのない領域に入りつつある。医療や介護などの現場は感染におびえながら、社会基盤の崩壊を防ごうと必死だ。仙台市内で現状を探った。

患者が採取した唾液をマジックハンドで受け取る土橋内科医院の医師=21日

 ◆医療 ────

 仙台市青葉区の土橋内科医院では年明け以降、発熱症状による来院が急増。小田倉弘典院長は「第5波までのように高熱が続く症状は少なく、微熱や喉の痛み、鼻水だけといった患者が多い」と語る。

 感染が疑われる患者は1日平均約10人が来院する。オンラインや電話による診療希望が増えた。院長と看護師4人、事務職員4人の小所帯で代わりが利かない。院内では不織布マスクやフェースシールドの着用、黙食を徹底している。

 ただ、オミクロン株は家庭内感染が多いのが特徴。「職員の家族までは管理できない。自分やスタッフが感染すれば診療は中止せざるを得ない」と不安がる。

フェースシールドを着けて診察する小田倉院長=21日、土橋内科医院

 ◆介護 ────

 青葉区の特別養護老人ホーム「アルテイル宮町」は13日から面会制限に踏み切った。ワクチンを2回接種した家族でも、面会専用の部屋で約15分しか会えない。

 職員には宮城県外への外出自粛を呼び掛けた。運営法人の庄子清典理事長は「欠勤者が増えれば食事や入浴など最低限のサービスしかできなくなる」と説明する。

 2月上旬までには入所者と職員計約70人全員が3回目接種を終える予定。「生活の制限は入居者と家族の不安やストレスにつながる。感染対策を強化することが本当に正しいかどうか分からない」と悩む。

 ◆保育 ────

 仙台市では18日、二つの保育施設でクラスター(感染者集団)発生が判明。若林区の穀町保育園は「人ごとではないが、これ以上、何をすればいいのか」と戸惑う。

 手すりや棚、ドアノブ、絵本のカバーなど園児が手を触れる部分は1日に何度も消毒する。玩具も一つ一つ、消毒液を浸した布で拭き取る。「手荒れがひどくなるが、気にしていられない」と女性職員が言う。

 頻繁な換気で室温が下がるため「足元の暖房器具も増設した」と園長の女性。「職員も園児も保護者も、やれることは精いっぱい頑張っている」と訴える。

園児が使った玩具を消毒する穀町保育園の職員=19日

 ◆教育 ────

 「弟や妹が感染し、自分が濃厚接触者になったとして登校を控える生徒が増えている」。宮城野区の東北学院高の岩上敦郎副校長は家庭内感染の影響を実感している。

 2月上旬の入試に加え、3月1日の卒業式への影響も懸念する。昨年は卒業生のみ出席し、保護者には録画をウェブで公開した。2月中旬までに開催方法を決める必要があるという。

 岩上副校長は「保護者に2年連続で子どもの晴れ姿を見せてあげられない状況は避けたい」と祈る。

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