ヤリイカ水揚げ増へ人工産卵礁設置 大船渡、スルメイカ不漁で脚光

 ヤリイカの水揚げ量を増やそうと、岩手県が大船渡市の越喜来(おきらい)湾に人工産卵礁を整備した。東日本大震災後、スルメイカの不漁が続いているため、新たな水産資源として平均単価の高いヤリイカに注目した。

越喜来湾に投入された産卵用ブロック=1月(岩手県漁港漁村課提供)

 県は8日、越喜来・浪板防波堤近くの水深5~15メートルの場所に、円形や六角形のブロック計7基を設置。脚を付けたブロックの下部にヤリイカがぶら下げるように卵を産み付けるという。産卵時期は1~6月ごろで、約1年後に漁獲できる見込み。

 県は2020年度、同市や釜石市など4地区で、ヤリイカの産卵に関する実態調査を実施し、全地区で産卵を確認。最も多かった越喜来湾を試験場に選んだ。今後、水温や産卵量などを調べる。

 ヤリイカは水温7度以上の浅い岩場に生息するとされ、近年の海水温上昇で、県沿岸域にも来遊するようになったとい人工人工産卵礁がある北海道や青森県では、一定の効果が確認されている。

2020年に撮影したヤリイカの卵(岩手県漁港漁村課提供)

単価はヤリイカが上

 県によると、ヤリイカの水揚げ量(21年)は474トン。スルメイカの水揚げ量は1102トン(同)で、08~10年平均(1万8547トン)の6%にとどまる。一方、1キロ当たり平均単価は、ヤリイカ(550円)がスルメイカ(522円)より高い。

 県内では、サケやサンマなどスルメイカ以外の主力魚種でも水揚げ量の低迷が続く。県漁港漁村課の佐藤一彰漁港課長は「効果があれば他の地域にも拡大し、漁業者の所得向上につなげたい」と意気込む。

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