救急・出産受け入れへ意欲 刈田病院民営化、白石市が住民説明会

 宮城県白石市の公立刈田総合病院の現状について、同市は23日、市ホワイトキューブで住民説明会を開いた。山田裕一市長は公設民営化への理解を求め、実現時には「充実した医療サービスを提供できるよう市として管理する」と強調した。

公設民営化を巡って山田市長への質問が相次いだ住民説明会

 定員300人に対し市民ら268人が訪れた。市議も療養中の1人を除いた16人が傍聴し、病院問題への関心の高さを示した。

 山田市長は現状説明として蔵王、七ケ宿との1市2町で年間20億円の赤字を負担し続けるのは困難とした上で「持続可能な病院」を訴えた。公設民営化で赤字を削減し、救急や出産を受け入れられる体制づくりに取り組む意欲を見せた。

 公設公営と公設民営の財務上の比較では、公設民営はコスト低減や訪問看護などの新規事業の展開が可能となり、税金の支出を10億円程度に半減できるとの見通しを示した。

 質疑応答では10人がマイクを持ち、疑問や思いを市長にぶつけた。「民営化で何が良くなるのか」と問われた市長は全国の導入事例を引き合いに、午前中しか受け付けていない外来を午後にも延長する方針に言及し、「税金を投入する病院だからこそ」と医療サービスの向上を誓った。

 会社役員男性(43)は、家族が刈田病院で受け入れを断られ、福島県の病院が「担当医はいませんが来てください」と対応した話を紹介。市長は「地域医療を守る」と明言し、男性は取材に「救急に対応した体制ができるのであれば公設民営でもいい」と語った。

終盤は荒れ気味の展開に

 元市議会議長の男性が質問で「市議会が反対しては公設民営化が進まない」と指摘し拍手が起きる場面も。終盤は質問者にヤジが飛ぶ荒れ気味の展開となった。

 無職女性(65)は「どういう診療科を持ってくるという話がなく、民営化で全てが改善されるとまでは思えなかった。また説明会を開いてほしい」と求めた。

 公設民営化を公約に掲げた2020年10月の市長選以降、山田市長が住民説明会を開くのは初めて。市長は「さまざまな意見を聞くことができ、開催してよかった。機会を見て再度説明会を開きたい」と話した。

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