(180)透きとほりゐるさびしさや葛湯吹く/仙田 洋子(1962年~)
熱い葛(くず)湯をふうふう吹きながら飲んでいます。白い葛粉にお湯を注ぎ、くるくる溶いていると透明になっていきますが、それを「さびしさ」と言ったことは一つの発見です。例えば雑味があったり、ノイズが入っ…
関連リンク
- ・(179)教室に猫背ずらりと冬の昼/新谷 桜子(2004年~)
- ・(178)雪の海底紅花積り蟹(かに)となるや/金子 兜太(1919~2018年)
- ・(177)風花に真昼のしじま深まりぬ/三村 純也(1953年~)
- ・(176)息吸うて肺の内まで霜降りぬ/吉田 千嘉子(1952年~)
- ・(175)寒林の一樹となりて鳥を待つ/佐藤 弘子(1944~2021年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。