苦い経験した飲食店、支持と不安が相半ば まん延防止見送りの宮城

 新型コロナウイルスの新規感染者数の急拡大が、またも飲食店を直撃している。宮城県は1日、学校や企業に対策強化を求める「緊急特別要請」を出したが、時短要請などを伴うまん延防止等重点措置の適用は見送っている。経営者には適用による時短協力金を求める声の一方、営業制限が繰り返された苦い経験を踏まえ、県の方針を支持する意見も少なくない。

ダイエー商事が経営する「晴れの日」。来客を待ち、炭火の調整を怠らない=1日午後6時10分ごろ、仙台市青葉区一番町4丁目

 「今必要なのは時短じゃない。県の判断は理にかなっている」。仙台市内で居酒屋「晴れの日」などを展開するダイエー商事(仙台市青葉区)の佐藤弘康社長(52)が言い切る。

 1月下旬以降は客足が激減。1日から1店舗を休み、10店舗のうち4店舗が休業している。「酒類提供ができなかった時期を除けば、今が一番ひどい。重点措置でも緊急事態宣言でもないのに」という事態だ。

 それでも佐藤社長が強調するのは、感染拡大のたびに飲食業界が打撃を受ける状況を打開する情報発信だ。「この2年間、『感染源イコール飲食』と行政も報道も狙い撃ちしてきた。経済を回すのなら『対策をすれば大丈夫』という発信こそ必要だ」と注文を付ける。

 重点措置を求める声は根強い。市内の飲食店関係者は「時短協力金で、つぶれそうな飲食店を一刻も早く救ってほしい」と悲痛な声を上げる。

 青葉区でフレンチレストラン「ラ・ペ」などを経営するエスペランスの泉田智行社長(46)も「緊急事態宣言が出された2年前のような状況だ。何も支援策がなければ、多くの飲食店が立ち行かなくなる」と危機感を募らせる。

 老舗料理店でつくる宮城県料理業生活衛生同業組合の遠藤慎一理事長(55)=大観楼社長=は、重点措置見送りを支持した上で、きめ細かな支援を求める。

 「重点措置は飲食店にさらに負のイメージを植え付け、今後の回復の足かせになるのは明らかだ。必要なことは協力金ではなく、一店一店に寄り添った丁寧な経済支援だ」

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