新型コロナウイルス禍が長引く中、子どものスマートフォンやゲーム機の長時間使用の弊害が生じている。中には依存症と診断され、治療が必要になるケースも。デジタル端末を子どもに持たせるのが当たり前になってきたが、付き合い方には改めて注意が必要だ。(生活文化部・浅井哲朗)
仙台市教育委員会が毎年行う小中学生の生活・学習状況調査によると、勉強以外でスマホやゲームなどのインターネット接続機器を使う時間は年々長くなっている。特に2020年度以降はコロナ禍の影響を受け、その傾向が顕著になった。小学5年生を例に取ると、21年度、平日2時間以上使用する割合が5割近くを占める=グラフ=。
市教委の担当者は「ストレスの多いコロナ禍で、会員制交流サイト(SNS)の使用や動画の視聴時間が増えている」と分析する。
子どもたちに人気を博すのが、対面の必要のないオンラインゲーム。仮想空間で多人数で戦い合う米国発「フォートナイト」は、大人気のゲーム機「ニンテンドースイッチ」などで無料ダウンロードできる。親が知らない間に見知らぬ人と熱中し、「死ね」などと言葉遣いも荒れてくる過熱ぶりに、文書で注意喚起した市内の小学校もある。
怖いのは、学校に行けなくなるほどの重症化だ。世界保健機関(WHO)は19年、日常生活が困難になる「ゲーム障害」を依存症と認定。専門外来がある久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)には全国から患者が訪れていたが「コロナ禍の移動自粛の影響で、遠方からの問い合わせが減っている。数が減ったわけではなく、近隣の小児科などに相談するケースが増えているのではないか」と樋口進院長が懸念する。
センターの調査では、通院患者にはゲーム時間の増加や引きこもりなどの症状悪化が見られ、コロナ禍の休校をきっかけにゲームのし過ぎで昼夜逆転から抜け出せなくなった子どもも目立つという。ほとんどがオンライン環境下で、ある高校生は保護者のクレジットカードで1000万円以上使う課金トラブルに陥った。
「こうした家庭には、ひとり親が仕事で忙し過ぎる、両親が不仲で家の雰囲気が冷たい-といった特徴がある」と樋口院長。家族とのコミュニケーション不足からゲームに逃避していると指摘する。センターはホームページで、ゲームなどの使用に関するルール作りを公開している=表=。
幼い子どもが「メディア依存症」の予備軍になる危険性もある。
東北大病院小児科の植松有里佳医師によると、行動異常から発達障害を疑われて受診する未就学児や小学生のうち、ゲームにのめり込んでいる子どもの数が増え続けているという。
乳幼児期に「スマホアプリを使ってあやす」など、メディアに長時間さらされることで、愛着形成や言葉の発達の上の問題が生じる。
「乳幼児の頃は、人と関わる体を使った遊びを多くすることが大切」と植松医師。家族全員でテレビを含む全てのメディアを3日間断ち、一緒に触れ合いながら遊ぶことで、問題行動が改善する場合が多いとアドバイスする。
コロナ下、デジタル教育を進める文部科学省のGIGAスクール構想の計画が、大幅に前倒しされた。
「ITリテラシー(理解・活用能力)を高めた子どもたちと比べ、専門教育を受けていない親の世代は、ITへの苦手意識が強い」。成蹊大客員教授で、ITジャーナリストの高橋暁子さんはこう指摘する。その上で「有害サイトへの接続を遮断するフィルタリングは欠かせない。『ネットには詳しくないけれど、あなたが心配だ』と放任せず伝えることが大事。子どもを守れるのは親しかいない」と呼び掛ける。
ゲームを1日2時間やれば、1年のうち丸1カ月を費やしていることになる。高橋さんは「その時間で得たものと失ったものが何なのか、親子で客観的に考えてほしい」と強調する。
仙台市教委と東北大は過去に大規模な追跡調査を行い、スマホを1日1時間以上使う児童生徒の成績が低下していることを明らかにした。子どもたちの学習の道具としても、デジタル端末への過度の依存は禁物のようだ。
調査に当たった東北大加齢医学研究所の川島隆太所長は「デジタル教材を使った学習は、振り返りの学習に不向き。紙媒体を中心に基礎的な読み書きや読書を大切にすることで、内容の理解が進み、子どもの学ぶ意欲をさらに育てられる」と語る。
[GIGAスクール構想]文部科学省は、国公私立の全小中学生にデジタル端末を1人1台配備し、端末がほぼ行き渡った2021年度、教育現場での活用を始めた。ノート型パソコンなどを自宅に持ち帰った子どもが、学習に限定した使用制限を勝手に解除し、遊び目的に使う問題が指摘されている。
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