宮城県内で同居家族の遺体を自宅に放置する死体遺棄事件が相次いで起きている。逮捕された人の多くが孤立し「貧しくて葬式を出せなかった」ことなどを放置理由に挙げる容疑者もいる。専門家は「孤立社会の到来で支援の手が差し伸べられず、困窮する家庭が増えていることの表れだ」と警鐘を鳴らす。
宮城県亘理町のJR亘理駅から西に約1キロの住宅街。23日、住宅を訪れた県警亘理署員は寝室の布団で寝間着姿の白骨遺体を発見した。同署は24日、住人の男(73)を死体遺棄容疑で逮捕した。
遺体は男の弟とみられ、死後5年ほど経過。男は「葬式を出す金がなく、どうすればいいか分からなかった」と話したという。
住民によると、男は弟と2人暮らし。20年ほど前に印刷会社を早期退職した後は定職に就いていなかった。建設関係に従事した弟も脚のけがでほぼ寝たきり。暮らし向きは厳しかったとみられる。近所の男性(83)は「男は内気で周囲との交流もなかった。困っても助けを求める相手がいなかったのだろう」と推測する。
親族が絡む死体遺棄事件は死亡を隠して年金の不正受給を狙うケースが多い。ただ、県内で本年度発生した7件はいずれも不正受給を意図した犯行ではなかったとみられる。
昨年7月、石巻市で発覚した事件も生活苦が背景にあった。同居する80代伯母の遺体を放置したとして死体遺棄容疑で逮捕された建設作業員の男(52)は「通報しなければ葬儀代がかからず生活が楽になると思った」と供述。その後の仙台地裁の公判では「頼れる人がいなかった」と語った。
見守る側も対応に苦慮する。今月1日、80代母親の遺体を自宅に遺棄した疑いで逮捕された職業不詳の女性(49)=不起訴=が暮らしていた仙台市泉区将監地区。民生委員の男性(54)は「こんな状況になるまで異変に気付けなかった」と悔しそうに語る。
男性が最後に自宅を訪問したのは2019年10月ごろ。「困り事は特にない」と明るく話す母親の姿が印象的だったという。20年からは新型コロナウイルス感染防止のために訪問は控え、悩み事に関する相談を呼び掛けるカードを投函(とうかん)するのみだった。
担当地域に後期高齢者が300人以上いることも足を遠のかせた。男性は「どうしても独り暮らしの高齢者に意識が集中する。同居する子どもがいると安心してしまう」と語る。
内閣府調査では、40~64歳のひきこもりは全国推計約61万人。80代の親と50代の子が孤立する「8050問題」も深刻化する。貧困が重なれば、同種の事件が多発する可能性もある。
ひきこもりの支援に取り組むNPO法人わたげの会(仙台市)の秋田敦子理事長は「孤立して困窮する世帯は公的な支援制度を知らないケースも多い。民生委員とひきこもりの支援機関が情報共有し、連携して取り組む必要がある」と話す。
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