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(208)落葉松(からまつ)の木の芽を雨后(うご)の月照らす/藤沢 周平(1927~1997年)

 藤沢周平は、若き日に結核のため療養所に入り闘病生活を送った。そこで俳句に親しみ俳誌「海坂」に投句、この誌名が小説の「海坂藩」となる。さて落葉松の芽吹きは躍動感に満ちて美しい。しかし彼が詠んだのは、光のみなぎる日中ではなく、雨上がりの春の夜である。死の気配の漂う中で、そこはひそやかな生の息吹を感じる…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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