(209)雛の間にゐてほのぼのと晝(ひる)日影/作者不詳
私の祖父は1943年10月に大学に入学、12月に神奈川の横須賀第2海兵団に入った。学徒動員である。その頃新聞で見て忘れられないと折々言っていたのが掲句。44年の3月3日は決戦非常措置要綱に基づき国民…
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- ・(204)硝子重ねてゆけば二月の空の色/佐藤 弘子(1944年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。