(219)卒業歌靴箱に靴しづかなり/辻内 京子(1959年~)
遠くから卒業の歌が聞こえてきます。目の前にあるのは学生たちではなく、その靴です。箱の中に収まっていますが、いつも以上に静まり返っているように感じます。普段は雑に入れられた靴たちも、今日は神妙にそろえ…
関連リンク
- ・(218)春風や地球は海をみなぎらせ/小田島 渚(1973年~)
- ・(217)三月の君は何処(どこ)にもゐないがゐる/照井 翠(1962年~)
- ・(216)掃除機を動かすまでの春うれひ/津高 里永子(1956年~)
- ・(215)如月の笑ふとき子はタンバリン/西川 火尖(1984年~)
- ・(214)蘆牙(あしかび)や三千六百五十日/高野 ムツオ(1947年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。