(214)蘆牙(あしかび)や三千六百五十日/高野 ムツオ(1947年~)
昨年の東日本大震災から10年のときの句。すなわち三千六百五十日である。10年は節目として大きく取り上げられたが、震災がそれで一区切りにされることに危うさを感じている。現に原発事故後に発出された「原子…
関連リンク
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- ・(212)啓蟄の次々にピザ焼けてきし/舘野 まひろ(2001年~)
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- ・(209)雛の間にゐてほのぼのと晝(ひる)日影/作者不詳
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。