瑞鳳殿の石灯籠、また被害 仙台に震度6強の爪痕まざまざ

16日の地震で倒壊した石灯籠。昨年2月にも被災し、修復の途上だった=22日、仙台市青葉区の瑞鳳殿

修復途上、2年連続の被害

 宮城、福島両県で最大震度6強を観測した16日の地震で、仙台藩祖伊達政宗の霊廟(れいびょう)「瑞鳳殿」(仙台市青葉区)の石灯籠や供養塔など約20基が倒壊した。昨年2月の地震でも100基以上が倒れ、修復作業の真っただ中だった。2年連続の被害に関係者は落胆している。

 本殿に向かう石段の左右にある高さ約2・5メートル、重さ約1500キロの石灯籠は9基のうち1基が基礎部分を残し、横倒しになった。

 2代藩主忠宗の霊屋「感仙殿」の付近でも石灯籠11基、供養塔1基が倒れたり損傷するなどした。参道入り口の「御子様御廟」では7基の石灯籠が倒壊した。

 東日本大震災と昨年の地震を経験し、灯籠にステンレス製の心棒を埋め込み、強力な接着剤で固定し、耐震性を高める計画だった。

 修復工事は今年2月に始まり、石段の石灯籠5基は地震当日の16日夕に作業が完了。その数時間後に再び強い地震に襲われ、5基のうち1基はまたも倒れた。

 現時点で復旧のめどは立っていない。本殿や感仙殿など建物には被害がなく、17、18日の臨時休館中に観覧ルートの安全を確認し、現在は通常開館している。

 瑞鳳殿の石川潤一事務局次長は「またか、という感じ。修復作業が進み、ようやく本来の姿を見てもらえるようになった直後で、非常に残念」と唇をかんだ。

地震の揺れで台座から落ちたとみられる2体の稲荷像=仙台市青葉区の蛎崎稲荷大明神

青葉山の稲荷像2体が落下

 仙台市の観光名所、仙台城跡(青葉区)がある青葉山は、16日の強い地震で石垣や崖の崩落などが10カ所以上で起きた。本丸跡東側の崖下にある蛎崎(かきざき)稲荷大明神では、鳥居前に立つ稲荷像2体が台座から落下し、無残な姿をさらしている。

 境内は、崖が崩れて流れ込んだとみられる樹木や土砂に覆われ、ほこらは屋根の一部が見えるだけになっている。参道の石段には大きな石が転がり、行く手を阻む。

 蛎崎稲荷大明神は仙台藩祖伊達政宗の愛馬「五島」が、高齢で大坂の陣(1614~15年)に出陣できなかったことを悲しみ、仙台城本丸の崖から身を投げたことに由来するとされる。

 隣接する追廻地区が明治時代、日本軍に接収されたため、現在の青葉区片平にご神体が移された。大明神のほこらは追廻地区の住民が守ってきたが、市によると、住民が移転した今は管理者が分からなくなったという。

 青葉山では仙台城跡の石垣が2カ所で大きく崩落したほか、本丸跡の政宗騎馬像が台座に接続する左前足と右後ろ足に亀裂が入り、正面から見て左側に傾いた。今後、強い余震が発生すれば石垣がさらに崩れる危険性があり、地震後も予断を許さない状況が続く。

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