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(231)長生きの朧(おぼろ)のなかの眼玉(めだま)かな/金子 兜太(1919~2018年)

 春の夜、空気中の水蒸気に万物の姿がかすんでいくこと、これが朧です。月明かりに物がぼんやりと見えたり、肌にちりちりと当たって弾(はじ)ける水の粒が分かったりします。長生きした方の目玉なので、お年による目のかすみや、判断がぼんやりとすることの比喩として朧が読めますし、実際作者も自句自解の中でそう語って…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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