人口増加による食肉不足への不安から、代替肉の商品化が加速している。世界的には動物の組織から作る培養肉の開発競争が激しさを増す。身近なところでは、健康志向の高まりで植物由来のタンパク質食品が関心を集める。肉そっくりのおいしさを追求した「代替肉」が食卓の主役になる日は来るのか。
(生活文化部・浅井哲朗)
培養肉は、動物から採取した組織をバイオ技術を用いて増殖、製造する「細胞農業」とも呼ばれる技術革新だ。大量の水や飼料を必要とする既存の畜産業は環境負荷が高いため、食料(フード)と先端技術(テクノロジー)を融合した食の未来形「フードテック」の主要な柱として注目される。
主な開発実績は表の通り。世界で唯一、シンガポールが食用販売を開始した。開発の主流がミンチ肉なのに対し、即席麺大手の日清食品ホールディングス(HD)は東京大との共同研究でステーキ肉の開発に挑戦している。
普及の課題は、コストダウンと消費者への情報提供だ。2013年に発表された世界初の「培養肉バーガー」は、1個3250万円! さらに実験室で作られることから「試験管ミート」「フランケンバーガー」などと、おどろおどろしいイメージが付きまとう。
弘前大人文社会科学部の日比野愛子准教授(社会心理学)は19年、日清食品HDと共同で、国内の2000人を対象に培養肉に関する大規模意識調査をインターネットで初めて実施。「試しに食べてみたい」という人は最初3割弱にとどまったが、「食糧危機」「環境問題」「動物愛護」など培養肉開発の背景を説明するとその割合が増えた。
日比野准教授は「新技術だけに、将来消費者に受け入れられるかどうかは未知数。しかしその判断の基となる情報を社会でしっかり共有することが大切だ」と指摘する。
植物性タンパク質を用いた大豆ミートなどの代替肉商品を巡っては、国内の流通や食品、外食関連企業が、本物の肉好きも満足させようとラインアップに力を入れる。卵や乳製品も摂取しない完全菜食主義(ビーガン)といった新たな食習慣も知られるようになり、代替肉需要につながっている。
フードテックに詳しい宮城大食産業学群の石川伸一教授(食品科学)は「若い世代がファッション感覚で代替肉を求める海外と比べ、日本ではまだマーケティングが十分ではない。健康や低コスト、おいしさといったメリットをメーカーがどう打ち出すかが鍵だ」と語る。
仙台市青葉区のビーガン料理「ベジト・リコ」の加藤理心(りこ)シェフ(27)は米国で料理を学び、帰国後、神奈川県の精進料理屋で修業。50人分の精進まかないを毎日作り続けた経験から、栄養豊富で手軽な「ヘルシージャンク」のコンセプトに行き着いた。家庭で挑戦できる代替肉メニューを紹介してもらった=図=。
メインは、肉のボリュームに負けない大豆ミートと豆腐のおかず。みそなどの発酵調味料を重宝し、塩、砂糖は使わず、油も控える。マーボーピーマンは、うま味の強いシイタケ、加熱し甘みが出るネギ類で風味を出す。野菜の中ではタンパク質豊富なブロッコリーを副菜にした。
加藤さんは「野菜の甘みを味付けに生かすのがこつ。『全てをビーガンで』と頑張らずに、楽しむことが大切」と話す。
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