(233)白魚にすゞしさの眼のありにけり/石橋 秀野(1909~1947年)
1946年、松江での作。食糧難の時代でも、港町ではバケツいっぱいに白魚が売られていたのだろう。白魚は春の季題。もちろん今は夏でも冷凍された白魚を食べられるが、春光をはね返しながらぴちぴちとバケツで跳…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。