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(235)さまざまの事思ひ出す桜かな/松尾 芭蕉(1644~1694年)

 芭蕉が故郷の伊賀上野を訪れ、かつて仕えた藤堂家の庭で亡き主人を思い出して詠んだという句である。この句は普通には満開の桜を眼前にしての感慨と受け止められるが、東日本大震災後には違った読みもあると思うようになった。それは「さまざまの事」で切る読み方である。津波や原発事故の被災者にはさまざまな事があって…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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