<アングル宮城>当世林業事情 巧みな技 循環守る

<舞う>重装備の作業員がチェーンソーを手にスギの伐採に当たる。エンジンがうなりを上げ、大量の木くずが舞った=宮城県利府町森郷
<一息>仕事の合間に一息つく作業員。会話を交わし気持ちをリセットする
<向上>注目される林業用重機。丸太の枝払いや切断、危険箇所からの搬出などを担い、コスト削減にも貢献する
<正確>仙台市青葉区の青葉山公園では、周辺を傷つけないように木を倒す「特殊伐採」が行われた。寺社や史跡などを対象に巧みなロープワーク、正確な枝打ちなど専門性の高い技術が必要とされる
<丹念>刃の長さが50センチもあるチェーンソーを念入りに手入れする。安全で効率的な作業のために不可欠な“儀式”のようだ

 世界的に環境保全の意識が高まる中、林業の現場はどうなっているのか。宮城中央森林組合(仙台市泉区)の伐採作業班員による間伐に同行した。

 宮城県利府町役場から北に約3キロの森郷地区の山林。午前8時半、図面を広げ、班員5人全員で工程を確認した後、伐採を始めた。チェーンソーがうなりを上げ、木くずが飛び散る。高さ20メートル、幹の直径が40センチはありそうなスギが数分で地響きとともに倒れた。

 「これは50年以上前に植えた木」と担当者。植林、育成、伐採という森の世代交代のサイクルは近年崩れ、人手不足や採算性の問題で植林の機会が減った。国産材の価格低迷なども加わり、林業を取り巻く環境は厳しい。

 国の担い手育成事業制度を活用し、新たな世界に飛び込む人もいる。2年前にプロスノーボーダーから転職した阿部政俊さん(34)は「自然のサイクルの中で仕事ができるのが魅力」と汗を拭う。

 宮城中央森林組合は宮城県沿岸部10市町の森林を守る。結城淳専務(67)は「思いを込めた仕事で山が見違えるようになる。やりがいを感じてほしい」と話す。
(写真映像部・岩野一英)

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