仙台の桜満開、花見客で西公園大混雑 出店ずらり、大声で酔客はしゃぐ
新型コロナウイルス下で3度目の花見シーズンを迎えた。仙台市内有数の名所で知られる青葉区の西公園はライトアップや屋台が復活し、大勢の人で連日ごった返す。仙台で桜が満開となった11日夜、公園は感染を警戒しつつ開放感に浸る酔客らであふれ返った。(報道部・大橋大介)
コンロで鍋料理
約300個のちょうちんが飾られた桜祭り会場は午後7時前、広場が宴席用のシートで埋め尽くされた。同僚と午後6時前から飲み始めた青葉区の会社員男性(54)は「花見をするのは3年ぶり。久々の桜は美しく感じる」と上機嫌だ。
宴会客らはカセットコンロで鍋料理を作ったり、ボードゲームで遊ぶなど思い思いに楽しんでいる。人数制限がないため、10人以上の集団もある。
午後7時半過ぎ、9人組の学生グループから「乾杯!」の声が上がった。仙台市内の大学の学部仲間という。4年生の男性(21)は「(新型コロナの)ワクチンは3回目を打ったから心配ない。コロナで人と会うことが減り、今日は貴重な機会だ」と喜んでいた。
「長居したくない」
午後8時前、マスクを外して大声ではしゃぐ酔客が目立ち始めた。ギターの弾き語りに合わせて踊る外国人のグループを、周囲がはやし立てた。
同じ頃、大学生の男女2人が、広場の中心から離れた場所で缶ビールを手に桜を見ていた。広場は人が多くて諦めたと語る男性(21)は「コロナに感染する怖さがある。長居はしたくない」と冷めた様子だった。
12ある屋台も盛況で、100人近い客が並ぶ店も。生ビールや温かいつまみが次々と売れた。約30年にわたり店を出す屋台の男性(55)は「月曜日にこれだけ多くの人が来るとは」と驚き、「コロナ前より圧倒的に若い客が多い。逆に高齢者は見かけないね」と続けた。
スマホのライトで宴会続行
午後9時、ライトアップが一斉に消えると、大きな歓声と拍手が起きた。帰り支度する客の一方、スマートフォンのライトで宴会を続ける人々も多い。
20代の男性会社員5人組も、暗がりの中で飲み続けていた。勤務先からは飲み会の自粛を求められているという。男性(23)は「コロナでみんなストレスをためている。我慢していた分を花見で一気に爆発させているんだろう」と、周囲を見渡しながら話した。
公園を管理する仙台市の郡和子市長は12日の定例記者会見で花見に触れ、「屋外であろうと(感染防止の)ガイドラインを順守した上で楽しんでもらいたい」と求めた。
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