急速な円安による輸入価格上昇の波が、仙台名物の牛タンにも押し寄せつつある。新型コロナウイルス禍で海外の精肉加工場の稼働率が落ち、昨夏には仕入れ値がかつての約2倍に達し、その後も高止まりが続く。地元店の多くはこの1年の間に値上げしたばかりで、当面は利幅を圧縮してでも価格を据え置く方針。関係者は「我慢の春」と歯を食いしばる。
「うなぎや高級すしと同じ扱いになれば、多くのお客さんをがっかりさせてしまう。ここが踏ん張りどころ」。仙台市を中心に店を展開する老舗「喜助」(富谷市)の小野博康社長室長は、自らに言い聞かせる。
同社は昨秋、大半のメニューを2割程度値上げした。コロナ禍による精肉加工場の稼働見合わせに、中国など海外での需要増、総菜をはじめとする「中食」での人気が加わり、2021年7月には米国産牛タンの仕入れ値がかつての2倍以上の1キロ当たり3000円を突破。値上げで対応せざるを得なかった。
今年に入り仕入れ値はやや落ち着いたが、円安の影響で4月契約分は2700円前後まで再上昇する見通し。1ドルが115円前後だった2月に対し円相場が15円安くなると、喜助では仕入れコストは月当たり1000万規模で膨らむ計算で、インパクトは大きい。
「『おいしい』の後に『でも、値段がね…』と言われてしまっては、あまりに悲しい」と小野さん。看板商品の厚焼きに、牛タンのシチューやつくねなどをセットした新メニューを価格を抑えて売り出すなど、試行錯誤する。今は数カ月前の仕入れ分で調整しており、「何とか現状を維持したい」と話す。
「値上げ当初、メニューを見ても注文せずに帰ってしまう家族連れがいた。これ以上の引き上げは避けたい」。昨年秋に大幅な価格改定に踏み切った「牛たん若」六丁の目店(若林区)の下田将吾店長は、言葉を振り絞る。
牛たん若は「地元名物の牛タンを1000円以下の安価で」をコンセプトに10年に創業した。その後、仕入れ値は高騰し続け、そのたびに価格改定。昨年9月には一部を2倍近くまで値上げせざるを得なかった。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う物価高も懸念材料。燃油高騰が輸送コストに反映され、仕入れ値に影響することも考えられる。
「せめて1000円台で提供したい」と2枚(4切れ)の定食を1840円で提供する。下田さんは「次の買い付けの時、仕入れ値がどうなっているか。少しでも抑えられていると祈るしかない」と語った。
創業34年の「おやま」(青葉区)はコロナ禍でも価格を据え置くが、利益を削ってやりくりしているのが実情。小山恭子店主は「コロナで多くの人が飲食店に立ち寄らなくなっている。ここで値段を上げては、さらにお客さんの足を遠のかせてしまう」と説明する。
急激な円安に不安は募る。小山さんは「牛タンは仙台で断トツの人気食。地元の顔を高根の花にしたくない」と相場の行方に気をもむ。
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