性差超えて高め合おう 先読み!とうほく経済ーー佐藤律子

「男と女の職場学」(1)

佐藤律子さん

 文明論的に見ると時代はどこに向かうのか。多様性の時代に企業や職場はどうあるべきか。「とうほく経済」に求められる視座を週1回、4人の識者・経済人に輪番で発信してもらう。

■「みたい」「くせに」

 最近若い男性で、ジャケットにネクタイを合わせるのではなく、パールのネックレスをコーディネートしている人を見かけます。そんな姿を目の前にしたら、あなたの頭にはどんな言葉が思い浮かぶでしょう。

 「女みたいだな」「男のくせに」…。

 こんな言葉が頭をよぎるかもしれません。しかし、そうした性差に過度にとらわれた思考は、もはや時代遅れ。人前で声に出してしまったら、セクシュアルハラスメントになりかねないと心する必要があります。

 言葉狩りをしようというのではありません。いつの時代も大事なのは、相手や周囲を不快にさせないことです。そのためには、性差に基づく表現や、性差に関連付けた言い方を避けることが大切です。

 先の事例で言えば「女みたい」「男のくせに」は性差を強調したネガティブな表現です。では、どう表現するのがいいのか。私が企業研修などで日頃お勧めしているのは「おしゃれ」「似合う」「すてき」といった表現です。なぜなら、相手が男性だろうと女性だろうと、フィットするからです。

■高め合い業績向上

 企業であれ、団体であれ、学校であれ、それぞれの職場には通常、仲間がいます。多様性の時代ですから単純にはくくれませんが、基本的には男と女。お互いが力を合わせ、高め合って働けることが、仕事の業績にもつながります。

 例えば、女性のスタッフが流行を意識した新しい服で出社したとします。あなたが同僚の男性だったらどう声をかけますか? ハラスメントを怖がるがあまり無視しますか?
 それではさすがに女性のやる気は下がります。とはいえ「今日はデート?」「艶っぽいね」などは即退場。やはりここは「おしゃれだね」「似合っているよ」「すてきだね」などの中性表現でスマートに声をかけて、女性の気持ちが上がるコミュニケーションをしましょう。

 もちろんこれは性別が違っても一緒です。「おしゃれなネクタイですね」「そのスーツ、お似合いですよ」「すてきな色のシャツですね」などと接するのがお勧めです。

 職場でよりよい人間関係を築き、性差を超えて誰もが気持ちよく働けることが理想です。そのためには性差や世代間などの違いを理解した上で、理想的なコミュニケーションの仕方を知っておく必要があります。

 このコラムでは、よりよい職場づくりを一緒に考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。(一般社団法人「異性間コミュニケーション協会」理事長=塩釜市在住)

さとう・りつこさん 1972年、塩釜市生まれ。仙台市内のホテルなどに勤めて婚礼を企画した経験を元に2001年、「アートセレモニー」(塩釜市)創業。全国の自治体で婚活や「モテ講座」などを手がける。16年、異性間コミュニケーション協会を設立。育てた認定講師は全国に200人を超える。近著「夫を変える! 魔法の言い方」など著書は8冊。娘は台湾の大学に留学中で、自社取締役の夫と2人暮らし。

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