社会経験の少ない大人になったばかりの「若年成人」が、金銭の絡む犯罪やトラブルに巻き込まれるケースが後を絶たない。今年4月に民法が改正され、若年成人は18、19歳に幅が広がった。手を変え品を変えて繰り返される悪徳行為に立ち向かってきた仙台弁護士会の弁護士らに過去の事件簿をひもといてもらった。
「業界最高級 買取価格」「期間限定 買取金額30%アップ」
インターネットで見つけたうたい文句に誘われ、仙台市の男性は2021年3月、家庭用ゲーム機「プレイステーション4」とゲームソフト「キングダムハーツIII」「ファイナルファンタジーリメークVII」を梱包(こんぽう)して、買取業者に送った。
4日後、振り込まれた金額にぼうぜんとした。3割増しの査定で2万円前後の買取額を見込んでいたのに、実際の振込額は8240円。半分にも満たなかった。
業者に買取金額の内訳を開示するよう求めても拒否され、男性は泣き寝入りした。
「業界最高級 買取価格」といった文言は、根拠に乏しく、景品表示法(優良誤認)や消費者契約法(不実告知)に抵触し、契約を取り消せる可能性が高い。
だが、被害回復のハードルは高い。業者が交渉に応じなかった場合は裁判を起こす必要があるからだ。消費者が個人で裁判を起こす負担は大きく、弁護士を雇えば被害額以上の費用が必要になってしまう。
「そういう業者を根っこからたたく」。適格消費者団体「消費者市民ネットとうほく」(仙台市)事務局長の小野寺友宏弁護士が力説する。団体は、消費者問題に精通する弁護士らで作る「プロ集団」。小野寺弁護士もかつて国内最大級の宝飾品購入のクレジット被害「ココ山岡」事件も担当した熟練だ。
男性からの情報提供を受け、小野寺弁護士らが早速、業者の利用規約を調査。「いかなる場合も当社は免責」「サービス利用に起因する直接的または間接的な損害に関して一切責任を負わない」など、複数の条項で消費者契約法に違反している事実を見つけ出した。
業者は団体からの照会や申し入れを受けてホームページ(HP)上の「業界最高級」の文言を削除、規約の文言も改定した。だが、別の屋号で運営するHPには今も違法な文言が並ぶ。今後も違法行為が続けば、団体は差し止め訴訟も辞さない構えだ。
国民生活センターによると、ゲームや本、衣類などの宅配買い取りサービスのトラブルは17年度に目立ち始め、20年度は583件で毎年横ばい状態が続く。相談者の平均年齢は40歳だが、ネット上でゲーム機や学生服、携帯電話の売買が活発化しており、今後は若年成人も注意が必要だ。
小野寺弁護士は「『一切責任を負わない』という規約を見たら、おかしいと思って間違いない。根拠のない大げさなうたい文句にも注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。
(報道部・勅使河原奨治)
[適格消費者団体]不特定かつ多数の消費者の利益を擁護するため、消費者契約法に基づき内閣総理大臣から認定を受けた団体。1件の被害額が小さかったり、情報量や交渉力で業者と格差の大きい個人に代わって、不法行為の改善を求めたり、差し止め請求訴訟を起こしたりできる。東北では「消費者市民ネットとうほく」が唯一の団体。
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