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(269)筍(たけのこ)や雨粒ひとつふたつ百/藤田 湘子(1926~2005年)

 初夏は筍の旬である。宮城県では丸森町産も有名だが、筆者が馴染(なじ)んでいるのは住んでいる名取市の愛島産。わが家は住宅街だがお裾分けがあって、この時季の食卓は筍尽くしとなる。「雨後の筍」とはよく言うが、掲句は逆に顔を出した後の筍に降る雨を活写したのが面白い。ひと粒、ふた粒、そしてサッーと降り出す雨…

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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