開始から半年 仙台・電子図書館利用してみた 使いやすいけど浸透道半ば

市民図書館に掲示された電子図書館のポスター

 仙台市図書館が2021年11月に「せんだい電子図書館」のサービスを始めて半年が過ぎた。行政サービスのデジタル化が進む中、電子図書館は市民にどれほど利用されているのか。4月に新市民となった一人として、実際にサービスを利用してみた。(報道部・高橋葵)

蔵書数の少なさネック

 市図書館の利用者カードを作成するため、今月4日、せんだいメディアテーク(青葉区)の市民図書館を訪ねた。カード発行の翌日から利用できる。5日、市図書館のウェブサイトにログイン。4月に実家を離れ、自炊を始めたので初心者向けの料理本を借りた。

 スマートフォンで見られるため、紙の本のように荷物にならず持ち運びのストレスがない。パソコンやタブレット端末を使えば、キッチンから少し離れた位置に置いても十分に読める。返却も図書館に行くことなくウェブサイトでできた。

 電子図書館は、市のデジタル化の指針「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」の事業として始まった。貸し出しと予約は3冊までで期間は2週間。1冊を3人同時に借りられる書籍もある。

 市民図書館の担当者によると、4月30日までの貸出総数は約1万8000冊。人気ジャンルは小説や資格取得関連の実用書で、今月13日時点の予約数トップは小説「お探し物は図書室まで」(ポプラ社)だった。

 樋口千恵館長は「新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要があり、見込んでいたよりも反響が大きく、利用が伸びたのではないか」と受け止める。

 滑り出しは上々のようだが、市民に浸透しているかというと現状は道半ばだ。市図書館の書籍の年間貸出数は約375万冊(20年度)に上る。電子書籍は半年間で2万冊に満たない。

 利用が伸びない理由の一つが蔵書数の少なさ。サービス開始時の約2000冊から、現在は約3500冊に増えたものの、紙媒体と比べると品ぞろえには雲泥の差がある。図書館向けに配信される電子書籍の種類の少なさ、新刊が電子化されるまでに時間がかかることも課題となっている。

 利用する年代にも偏りが見られる。約2割を占める50代に続くのは60代と40代で若者は思わしくない。

 樋口館長は「中高生は部活動などで忙しく、図書館に足を運ぶことが少ない。本離れが進む若い世代には読書の入り口として、電子図書館を利用してほしい」と呼びかける。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る