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地震の揺れで図書館の蔵書落下 書店はどんな対策を講じている?

 

<読者から>
 今年3月16日に発生した最大震度6強の地震で、東北地方の図書館が蔵書の落下に頭を悩ませているとの記事を読みました。

 仙台市泉区にあるわが家も本棚からほとんどの本が落下してしまいました。しかし翌日午後に訪れた同じ泉区の書店2店では、いつもと変わらず書棚に整然と並んでいました。

 本の並び順にも不自然さは見当たりません。書店は地震の揺れに対しどのような対策を講じ、発生後にどう対応したのか不思議でなりません。

 もしかしたら企業秘密なのかもしれませんが、ぜひ取材していただけないでしょうか。

特別な対策なく、マンパワーで早期復旧

 「読者とともに 特別報道室」に質問を寄せてくださり、ありがとうございます。本紙では、東北大付属図書館(青葉区)で38万冊が書架から落ちたという記事を掲載しました。宮城県図書館(泉区)でも40万冊が落下したそうです。

 2店のうち八文字屋書店セルバ店によると、本や文具など多くの商品が落下し傷つきました。他店舗の従業員にも手伝ってもらい17日の午前4時ごろに片付け始め、午前10時の開店に間に合わせたとのことです。

 早期に復旧した理由を金沢有一店長は「マンパワーが足りていたということでしょうか」と話します。

 まず書棚そのものをしっかりと固定する、揺れても本が飛び出さない程度に本を詰めるといった対策を講じてはいるそうですが、金沢店長は「地震の多い仙台で営業していれば、どの書店でもやっていると思いますよ」と言います。

 くまざわ書店アリオ仙台泉店も、主に書棚の上の方に並べていた本が落下しました。橋本真一店長は「朝10時には開店できそうになかったので、突貫で復旧作業をし夕方ごろに店を開けました」と振り返ります。

 講じていた対策は、やはり棚の固定ぐらい。「すぐに対応するのは難しいものの、もう少し対策が必要だと考えています」と橋本店長は打ち明けます。

 八文字屋書店では、セルバ店から直線距離で1・2キロの場所に泉店(泉区)を展開しています。セルバ店と同様の地震対策を取っていましたが、固定していたはずの書棚が動くなど被害はより大きかったそうです。

 小林浩之店長は「建物の構造の違いでしょうか。セルバ店は施設の耐震構造がしっかりしています」と説明します。

 被害がなかったかのように営業できた背景には、復旧に当たった従業員の奮闘があったのですね。書店ならではの対策と言えそうなものは特になく、店舗の構造や立地条件などが被害の大小に関係したのかもしれません。

 「読者とともに 特別報道室」は皆さんの情報提供に基づいて取材し、記事にするオンデマンド調査報道です。日々の疑問や生活の困りごと、行政、企業の不正など皆さんの「おかしい」や「どうして」を教えてください。地域に根差した取材力と取材網を生かし、答えを探します。なお、取材源の秘匿は厳守します。

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