仙台・東北少年院生、震災遺構荒浜小で清掃活動 「役立つ意識」学ぶ

 東北少年院(仙台市若林区)が、院生を東日本大震災遺構「荒浜小」(同)に引率して見学や清掃を続けている。津波の爪痕が生々しく残る校舎を巡って震災を学ぶとともに、清掃活動を通して誰かの役に立っている意識を持ってもらう。

荒浜小のベランダを清掃する少年(手前)

「できること、たくさんあった」津波の爪痕も体感

 今月13日、荒浜小に10代後半の男子院生の姿があった。仙台市職員の案内で教室や廊下を巡回し、4階の校舎の2階まで浸水したこと、児童や住民ら約320人が一時身を寄せたこと、カーテンを身にまとって暖を取っていたことなどの説明を受けた。

 その後、1時間かけて教官2人と4階のベランダを清掃。ヘラで床の汚れを丹念にこそぎ落とした。鳥のふんの除去に苦戦する教官に「代わりますか」と男子院生が声をかける一幕もあった。

 出院間近の院生が行う社会貢献活動の一環。地域の公園掃除や介護体験に加え、2019年から荒浜小での見学と清掃を計5回実施している。

 自己有用感の養成が狙いだ。非行を繰り返す少年は家庭や地域で孤立し、誰かの役に立っているという意識が乏しいケースが多い。「更生に導くには、自分が必要な存在だと気付く必要がある」と山本宏一院長。身近な被災地での活動を通し、社会に貢献する喜びを感じられるプログラムを作った。

 参加した少年からは「人のためになっているのを感じた。良い経験になった」「自分ができることがたくさんあることに気付いた」などの声があり、教官らも効果を実感する。「被災地で苦しんでいる人を見て、自分が犯した行為で被害者の心に深い傷を負わせたことを実感した」といった感想も出ているという。

 山本院長は「被災地に関わる社会貢献活動は他にもあるはず。少年が社会に役立つ存在であることを実感できる機会をもっと提供したい」と話す。

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