筋トレ継続に「鉄」の意志 南部鉄器で用具開発 岩手・奥州

 南部鉄器製造の及富(岩手県奥州市)が、鋳鉄製のやかん型トレーニング器具「ケトルベル」を開発した。スポーツ愛好家やアスリートをターゲットに、専門家が設計を監修。これまで商品化したデザイン重視のケトルベルを本格的なトレーニング用に改良した。南部鉄器の市場開拓を狙い、今年中の発売を計画する。

本格的なトレーニング用に改良したケトルベル(右)。左の二つは既存商品

 ケトルベルは重りとなる球体にハンドルが付いた器具で、発祥地のロシアや米国で普及している。両手でハンドルを持ち、遠心力を利用して前後に振ることで、体幹やバランス感覚が鍛えられる。

 及富は、調理器具としては欠点とされる南部鉄器の重さに着目。筋トレブームの高まりを背景に2019年、般若の面などをあしらったケトルベルを発売した。

 今回は、海外団体公認のケトルベルインストラクターを兼ねる埼玉県の柔道整復師に指導を受けて改良。握りやすいようにハンドルの角度や幅、太さをミリ単位で調整した。重量は一般的な20キロ。実用性を重視して装飾を徹底的にそぎ落とした。

 カラフルなビニールでコーティング加工される市販品と異なり、素材は鉄のみ。不要になった場合は溶解して再利用でき、環境にも配慮した。

 及富は伝統産業の振興に力を入れており、2年前は水沢工高インテリア科の生徒がデザインした1点物のケトルベルも製造した。

 菊地章専務(65)は「地味だが鉄製品の『王道』を目指した。運動部の生徒からプロスポーツ選手まで使える仕様になった。南部鉄器の可能性を広げたい」と意気込む。

開発したケトルベルでトレーニングを実演する菊地専務

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