「県民割」延長、山形の観光関係者歓迎 旬のサクランボ狩り誘客に弾み

東根市の温泉街にある観光客を出迎えるアーチ型の看板。特産のサクランボを前面にPRしている

 地域限定の住民向け旅行割引「県民割」への国の支援が6月末まで延長され、全国一の生産量を誇るサクランボが旬を迎える山形県内では観光関係者が歓迎の声を上げている。梅雨で全国的には閑散期だが、同県ではサクランボ狩りなど誘客のかき入れ時。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ観光需要の回復の起爆剤にと期待している。

最大5000円割引

 観光庁が各自治体が実施する県民割への支援期間の延長を発表したことを受け、県は5月末が期限だった「やまがた春旅キャンペーン」の名称の一部を6月から「夏旅」に変更。引き続き、宿泊客に最大5000円の料金割引や2000円分の地域限定クーポンを配布する。

 「春旅」は4月1日から対象区域を東北と北海道、新潟県に順次拡大して大型連休を除いて実施。県によると、5月16日までに約8万人が利用した。5月末の終了を前に、県内の観光業界では延長を求める声が高まっていた。

 県内では6月中旬ごろからサクランボの主要品種「佐藤錦」の旬となり、例年なら仙台市や首都圏などからサクランボ狩りを楽しむ観光客でにぎわう。コロナ禍前の2019年度に来県した4531万人のうち6月は441万人で、月別では8月、5月に次いで3番目に多かった。20年度は2751万人に半減しただけに、政府の下支えに観光業界の期待は大きい。

宿泊施設から送迎

 地元密着型の旅行商品を手がける観光振興会社DMC天童温泉(天童市)は、宿泊施設からの送迎付きで早朝の果樹園でサクランボ狩りの体験ツアーを企画。山口敦史代表は「支援の延長は宿泊客を呼び込むために不可欠だ」と歓迎する。

 同市で王将果樹園を運営するやまがたさくらんぼファームの矢萩美智社長も「サクランボ狩りはお客の3分の2を占め、延長は大きなプラス材料」と期待する。より誘客が見込める首都圏など全国が対象になる政府の観光支援事業「Go To トラベル」の再開に向けて「県民割で何とかつないでいきたい」と語る。

 産地である東根市も、旬になると宿泊客の6割がサクランボ狩りが目当て。東根温泉組合の斉藤俊広事務長は「年間で一番多くの宿泊客を見込める時季。県民割の利用も含めて広く誘客をPRできる」と力を込めた。

 新型コロナ感染の第6波が続くが、5月の定例記者会見で吉村美栄子知事は「第6波で県内の宿泊施設からクラスター(感染者集団)は1件も起きていない」と強調。「感染対策のエチケットを守りながら初夏の山形を楽しんでほしい」とPRした。

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