(294)逢ひたくて蛍袋に灯をともす/岩淵喜代子(1936年~)

 知人からカンパニュラをいただいたので、季語かしらと調べてみたらホタルブクロのことでした。カンパニュラは小さな鐘の意味。淡いピンクの釣り鐘の形の花の中に、黄色いおしべがそっと収まっています。蛍袋の名は、子どもが蛍を入れて遊んだという説があるそうです。作者はそれを恋の灯火(ともしび)として描いています。蛍袋に灯(あか)りをともし、自ら逢(あ)いに行ったのでしょうか。恋には情緒と行動力が必要かしら、などと考えてしまいました。句集『蛍袋に灯をともす』より。(及川真梨子)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


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