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(290)見の限り山衰ひぬ懸り藤/高橋睦郎(1937年~)

 「みちのく所見」の前書のある一句。春の花たちがだいたい終わろうかという頃、藤は花を咲かせる。その集落ももう人が少なくなって衰えているのかもしれないが、藤の蔓(つる)だけは山の木々たちを伝わって天へ昇るよう。滝のように美しい花を山中にぶらさげる。対比が効果をあげて印象的だ。作者は「死者の言葉を借りて…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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