(291)きよお!と喚(わめ)いてこの汽車はゆく新緑の夜中/金子 兜太(1919~2018年)
現在の仮名遣いなら「きょお!」という音、蒸気機関車の短く鋭い汽笛の音です。「喚く」という表現に汽車の生々しさを感じます。「この汽車」とありますから、作者は今まさに真夜中を移動しているところです。当時…
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