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(291)きよお!と喚(わめ)いてこの汽車はゆく新緑の夜中/金子 兜太(1919~2018年)

 現在の仮名遣いなら「きょお!」という音、蒸気機関車の短く鋭い汽笛の音です。「喚く」という表現に汽車の生々しさを感じます。「この汽車」とありますから、作者は今まさに真夜中を移動しているところです。当時の暗い沿線を汽車の明かりだけが照らしていきます。映し出されるのは新緑の枝葉ですが、闇の中の若葉は怪し…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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