(295)戦死せり三十二枚の歯をそろへ/藤木 清子(生没年不明)
成人の歯の数は32本。それが一つも欠けていない壮健な若者の戦死を感情を抑えて詠む。昭和14年作の掲句は、戦死を生身の一人の人間の死としてわれわれに喚起する。この凄(すご)みのあるイメージはどこから来…
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