石巻川開き祭り 人出12万8500人、前回比減 規模縮小し開催
第99回石巻川開き祭りは7日、石巻市の中心市街地や北上川で小学校鼓笛隊などによる陸上パレードや孫兵衛船競漕(きょうそう)の決勝があり、大勢の市民が参加して楽しんだ。伝統の大漁踊りがフィナーレを飾り、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりとなった夏の祭典を終えた。規模を縮小しての開催だったが、2日間で約12万8500人(主催者発表)が訪れ、にぎわった。
祭りのフィナーレを飾った大漁踊りには、7団体約200人が参加した。新型コロナの影響で参加団体が前回2019年の半分に減る中、参加者は伝統の踊りで街を活気づけようと「大漁唄(うた)い込み」の曲に合わせて舞を披露。そろいの浴衣や法被姿で夕闇の迫る市街地を練り歩き、沿道の観客を楽しませた。
参加した「スポーツクラブJOY FIT24石巻」の西塚俊平さん(26)は「3年ぶりのパレードをみんなで楽しめた」と満足そうだった。
陸上パレードには小学校鼓笛隊のほか、石巻中吹奏楽部や桃生地区の「はねこ踊り」、沖縄の伝統芸能「エイサー」や「縄張神社みこし」の団体が参加し、祭りを盛り上げた。
孫兵衛船競漕は決勝があり、2部門の優勝チームが決まった。
2日間の人出は12万8500人だった。新型コロナの影響で土日開催ながら19年より6万5500人減った。内訳は花火大会があった6日が8万1500人、7日は4万7000人だった。
祭りは、市中心部を流れる北上川改修に尽力した川村孫兵衛の功績をたたえて1916年に始まった。
<土日開催歓迎と懸念>
新型コロナウイルス感染拡大が続く中、3年ぶりに復活した石巻川開き祭り。日程や花火大会の打ち上げ会場変更、感染症対策など時代に合った祭りを模索しながらの開催となった。日程は若い世代を中心に土日開催を歓迎する向きが多いが、日付固定を望む声も根強い。
祭りの実行委員会は東日本大震災以降、7月31日と8月1日に固定してきた日程を「より多くの人が参加できるように」と8月第1土曜、日曜に変更した。
長女の鼓笛隊パレードを家族と見に訪れた同市中里の会社員那須野美紀さん(42)は「土日の方が参加しやすい」と歓迎する。
一方、土日開催には「企業の協力が得にくくなる」や「仙台七夕まつりなど他のイベントとぶつかる」といった懸念の声もある。震災前と同様の8月1、2日開催を望む市街地の商店主は「平日でも参加したくなる、市民みんなが楽しめる祭りにしていけばいいのではないか」と訴える。
震災以降、中瀬を会場にしてきた花火大会は、北上川の石巻大橋下流に打ち上げ場所を移した。震災前の会場の水明地区も候補に挙がっていた。市街地で観覧した同市湊の公務員白川貴俊さん(38)は「会場が街に近い方が祭りの雰囲気が楽しめていい」と話した。
大きな混乱なく日程を終えたが、感染対策は課題も残った。食べ歩き禁止とパレードや花火大会などの観覧時は飲食を控えるルールを設けたが、注意喚起が徹底されず観覧場所で飲食する来場者の姿も目立った。
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