SL、ヒマワリ畑に汽笛一声<ふるさと音便り>

山あいのヒマワリ畑を走る「SL銀河」=遠野市上郷町

 ヒマワリ畑の向こう側。ブオーと鳴る蒸気機関車の汽笛一声が、岩手県遠野市上郷町の山あいにこだまする。C58形の車体が黒煙を吐きながら近づき、大輪の花の間を駆け抜けていった。

 JR釜石線(花巻-釜石)を週末に走る観光列車「SL銀河」。2014年から東日本大震災の復興支援として運行が始まった。

 「多くの人に見てほしい」。地元農家の駒込和男さん(80)が7万本のヒマワリを育て古里の夏を彩る。

 銀河は、懐かしい童謡『汽車ぽっぽ』の歌詞のように「なんだ坂、こんな坂」と力強く進み、「しゅしゅしゅしゅ」と蒸気が発するサウンドで被災地の針路を元気づけてきた。23年春、客車の老朽化によりその役目を終える。

 SLの勇姿とヒマワリとの共演はこの夏で見納めとなるが、「来年も頑張って種をまく」と駒込さんは声に力を込めた。
(写真映像部・庄子徳通)

 東北各地を訪ね、四季折々の「音のある風景」を写真と動画で紹介する。

山あいのヒマワリ畑を走る「SL銀河」=遠野市上郷町
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