(347)再会のサイダーにはや泡乏し/木塚夏水(1991年~)
大人の俳句、と形容したくなる雰囲気がある。久々の再会に会話が弾む。気付くと、机上のサイダーはすっかり気が抜けている。その後の「またね」の寂しさも予感させるのが、そう、かっこいい。ところで、季題の「サ…
関連リンク
- ・(346)爆心の緑蔭(りょくいん)にあり乳母車/前川 弘明(1935年~)
- ・(345)炎昼へ製氷の角(かく)おどり出る/秋元 不死男(1901~1977年)
- ・(344)足音を聞きしは夢か明易し/佐藤 紅緑(1874~1949年)
- ・(343)廃墟すぎて蜻蛉(とんぼ)の群を眺めやる/原民喜(1905~1951年)
- ・(342)一日を使ひきつたる夏椿(つばき)/尾池 和夫(1940年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。