(342)一日を使ひきつたる夏椿(つばき)/尾池 和夫(1940年~)
夏椿は沙羅双樹や沙羅の木の名を持っており、平家物語の冒頭にも出てきます。盛者必衰の例えにされるのは、咲いた花が一日で散る、一日花と呼ばれる特徴のためでしょう。作者の自解には、妙心寺東林院の樹齢300…
関連リンク
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- ・(337)みづうみのみなとのなつのみじかけれ/田中 裕明(1959~2004年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。