(343)廃墟すぎて蜻蛉(とんぼ)の群を眺めやる/原民喜(1905~1951年)
「原子爆弾」と題した連作中の一句。広島で被爆した作者の「ギラギラノ破片ヤ」という詩に<スベテアッタコトカ アリエタコトナノカ/パット剥ギトッテシマッタ アトノセカイ>という一節がある。核兵器は、ひと…
関連リンク
- ・(342)一日を使ひきつたる夏椿(つばき)/尾池 和夫(1940年~)
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- ・(340)かんたんな名前に生くる涼しさよ/成田 一子(1970年~)
- ・(339)昼顔や嫌ひな人に会ひにゆく/廣瀬 悦哉(1959年~)
- ・(338)蜘蛛を逃すつかのま風のなかにいる/原 麻理子(1987年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。