(348)片恋の記憶に少し金魚の朱/矢野 玲奈(1975年~)
片恋は片思いのこと。少し古風な言い方になるのでしょうか。振り向いてもらえないけれど好きな人がいたとき。そのことを思い出すと金魚の朱色がよぎります。そのフレーズだけで夏祭りに行ったエピソードが浮かんで…
関連リンク
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- ・(343)廃墟すぎて蜻蛉(とんぼ)の群を眺めやる/原民喜(1905~1951年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。