生物絶滅規模、気温変化と比例 東北大・海保名誉教授が過去5億年を分析

東北大

 過去の生物大量絶滅を研究する海保邦夫東北大名誉教授(生命環境史学)は過去5億年間に起きた動物絶滅について、地球全体の平均気温の変化が大きいほど絶滅規模が大きくなるとの研究結果を、欧州の生物地球科学誌で発表した。

 地球上で多細胞動物が多様化した約5億2000万年前以降、60%以上の動物種が同時に大量に絶滅する「主要大量絶滅」が5回起きたことが知られている。

 海保名誉教授は主要大量絶滅を含め、動物絶滅と気温変化が同時に起きたと確認されている7回の絶滅を解析。その結果、気温変化と絶滅規模は比例に近い関係にあり、気温の変化が大きいほど絶滅規模も大きかった。

 地球全体の平均気温が7~9度の幅で上昇するか、低下するかした場合、主要大量絶滅で最も小規模とされる後期デボン紀中葉(約3億7200万年前)並みに、60%強の動物種が絶滅すると結論づけた。

 海保名誉教授はこれまでに大量絶滅の痕跡がある欧州や中国などの地層を分析。白亜紀末の約6600年前に恐竜などが姿を消した最新の絶滅の原因は小惑星の衝突とみられ、それ以外の絶滅は大規模火山噴火による気温変動が原因と推定されるとの研究成果を発表している。

 研究者の間では、6回目の主要大量絶滅が将来起きる可能性も指摘されている。海保名誉教授は500年後までの絶滅規模の予測とその防止策を2年後をめどに公表することを計画する。必要な費用をクラウドファンディング(CF)で募っており、15日午後11時まで専用サイト「レディーフォー」で受け付ける。

 海保名誉教授は「動物絶滅は現代でも起きている。多くの人に現状と問題点を知ってもらい、意識向上につなげたい」と訴える。

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る