(352)地下鉄ににんげん臭ふ敗戦忌/鈴木 光影(1986年~)
地下鉄の駅に降りると独特の籠(こ)もったような臭いがするが、作者はそれを人間の臭いと言う。敗戦の日の重苦しさと、暑さに汗の臭いも混じる。この句はロシアのウクライナ侵攻の前に作られているが、現在空襲か…
関連リンク
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。