(353)花火消え元の闇ではなくなりし/稲畑 汀子(1931~2022年)
花火と言えばお盆の花火。供養のために打ち上げる。にぎやかなBGMをバックに、さまざまな人たちの追善供養のメッセージがアナウンスされる。「おじいちゃん、ありがとう……」。訣(わか)れの悲しみを打ち消す…
関連リンク
- ・(352)地下鉄ににんげん臭ふ敗戦忌/鈴木 光影(1986年~)
- ・(351)人界の真闇に吊るす蛍籠/高岡 修(1948年~)
- ・(350)大鴉すこし離れて夏祭/野城 知里(2002年~)
- ・(349)蜩(ひぐらし)の門じやんがらの鉦(かね)通る/山崎 祐子(1956年~)
- ・(348)片恋の記憶に少し金魚の朱/矢野 玲奈(1975年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。