危険箇所調べてマップ作成 宮城・女川小で「むすび塾」 日本損保協会と連携
河北新報社は12日、107回目の防災ワークショップ「むすび塾」を宮城県女川町で開いた。日本損害保険協会(東京)の安全教育プログラム「ぼうさい探検隊」を取り入れ、女川小の4、5年生16人が地域の危険箇所や海抜などを調べ、防災マップを作った。女川町教委と、学習支援の放課後施設「女川向学館」が運営に協力した。
児童は女川小で石巻地区消防本部の野田和好さん(53)の話を聞いた。野田さんは東日本大震災発生時、津波避難ビルだった勤務先の女川消防署で津波にのまれ、九死に一生を得た。「屋上に逃げたが津波の方が高かった。海からより遠く、より高くに避難してほしい」と呼びかけた。
児童は3班に分かれ、高台の災害公営住宅や、港に近いシーパルピア女川周辺などを探検。スマートフォンのアプリを使って海抜を調査したり、河北新報オンラインニュースの「東北の津波浸水想定マップ」で、宮城県の新しい浸水想定エリアを確認したりした。
防災マップは女川向学館で作成した。地震で倒れそうなものや、災害時優先電話の公衆電話などを記入したほか、シート状のチョコレートを重ねて調査地点の海抜を再現した。
講評で損保協会東北支部事務局長の生駒新一さん(55)は「大きな津波が発生したら、今日の探検を思い出して逃げ切ってほしい」と述べた。
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